2013年4月24日水曜日

消尽の準則という言葉がある。

これは英語のfirst sale doctrineという言葉で、要は販売されている著作物を購入者が他者に自由に売買できることを規定したものらしい。

(1)コミックなどを書店で購入したら、著作物を購入したことになる。
(2)もう読まないので古書店やオークションなどで他者に購入者が売る。
(3)この行為に関して購入者に対してなんら制限を課されるものではない。

これが消尽の準則ということ。音楽CDやDVDのレンタルもこれを根拠にしているんだとか。

最近話題になってるのは、電子書籍や音楽データ(MP3)などのデジタルデータに関して、この消尽の準則が適用されるかどうかということらしい。

たとえば中古MP3ファイル売買のReDigiというサービスに関する話題。
http://p.booklog.jp/book/41529/chapter/68684
(以下要約)

もう聞かなくなったMP3を自由に売買できることで再販による利益を購入者が得られるなら、タダで配っちゃう海賊版も減るだろうというコンセプトらしい。(売買時にアーティストとレーベルにも権利金が1%還元される)

ただダウンロード販売された楽曲について、iTunesなどの楽曲は、規約によると販売ではなくライセンス(音楽を聞く権利を許諾を対価をもって許諾)なんだとか。
(以上要約)

つまり、デジタル著作物について、ソフトウエアか否かという議論がEU圏を中心に盛り上がってるらしい。

「デジタル古書」が間もなく実現か -IT Media-
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1207/09/news019.html
※欧州司法裁判所は「電子製品のライセンスは顧客間で再販可能」と表明

ドイツ地方裁判所が電子書籍の中古販売を禁じる判決 -IT Media-
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1304/24/news070.html

この司法判断は正反対で、日本国内でも今後デジタルデータに関する議論が沸き起こる可能性もあるので、今後要注意かな…と。

ただ、デジタルデータはいくらでも完全複製が可能(オリジナル証明書なんて作らない限り)なので、消尽の準則とか認めちゃうと(オリジナルと区別の付かない)コピー品で溢れかえりそうな気もするが、どうなんだろう?
※コピー品でも権利者にきちんと利益が還元されればいいんだけどね。

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